~今日から大会までどう過ごす?~【10月編】
初心者の次なるステップ 運動習慣から「走る力へ」
誰でも始められるのがハーフマラソンの魅力。21.0975kmという距離を、自分のペースで走りきる達成感は、言葉では言い表せないほどの感動があります。でも『完走なんて無理!』と思ったあなた。心配ご無用です。運動する習慣がついてきたら次は実際に『走る』ということに意識をおいて準備をしてみましょう。

運動習慣がついてきました。次は何を意識すればいいですか。
「体を動かす習慣がついてきたら、次のステップは距離の設定。実は練習でレースの半分の距離を完走できていれば、本番で完走できる可能性は十分にあります。まずは10km完走を目指しましょう。
いきなり10kmは厳しくても徐々に距離を伸ばすことで、身体的にも精神的にも自信がついてきます。
たとえば、
- 2km→3km→5km→7kmと段階的に距離を伸ばしていく
- 完走よりも『止まらずに動き続けること』を意識する
- 週1回は距離を意識したウォーキング&ジョグに距離を伸ばすごとに、
「今日は最後まで歩かずに走れた」「前回よりタイムが縮まった」といった達成感が味わえ、次の目標に自然と挑戦したくなってきますよ。」
どのくらいのペースで走ればいいですか。
「ハーフマラソン初心者は、まずは「記録より完走」が合言葉です。MINATOシティハーフマラソンでは、最終ブロックのスタートから2時間30分が制限時間です。つまり時速8km(キロ7分30秒)程度のペースで2時間半ほど動き続けられれば、完走は十分可能ということになります。
息が上がってしまうと運動を持続することが難しいですが、息が上がらない程度であれば、効率よく脂肪を燃焼させてエネルギーに変換することができます。キロ7分30秒を目標に、無理をせず息が上がらない程度のペースを意識してみましょう。また、姿勢を意識することで疲れにくくなります。腕を軽く振り、足は後ろに流れず前に運ぶイメージで。肩の力を抜き、リズムよく呼吸をすることもポイントです。」
完走を目指すマラソン初心者の方へ一言お願いします。
「ハーフマラソンは、年齢も体力も関係なく、誰でも挑戦できるイベントです。小さな一歩を積み重ねていくことで、知らず知らずのうちに『自分にもできる!』という実感が湧いてきます。ゴールを越えたその瞬間、自信と達成感はきっとあなたを一回り大きく成長させてくれるはずです。今月は10km完走を目標に。その一歩一歩が、未来の完走へとつながっています。」
上級者必見!「キロ5分」で走り切るための戦略的ハーフマラソントレーニング
ハーフマラソンを1時間45分前後で走り切るためには、単に距離を踏むだけでなく「キロ5分」という目標ペースを確実に刻めるスキルが求められます。特にレース終盤でペースが落ちることなく走り切るには、実践的かつ戦略的なトレーニングが鍵となります。10月は、目標ペースに焦点を合わせた上級者向けのメニューを紹介します。

キロ5分で走り切るためにはどんなことをすればいいですか。
「まずはキロ5分ペースを身体に染み込ませます。感覚だけではなく、心拍数や呼吸、足取りを含めた自分自身の走りの“型”を整えましょう。普段のジョグでは会話ができる強度での走りを重視し、週に2回はペースを意識したポイント練習を取り入れるのが理想的です。」
実践メニュー①:ペース走 キロ5分30秒×20km
「余裕度を確認するためのベース作りが目的です。あえて目標ペースより30秒遅く、つまりキロ5分30秒で20kmを走ることで、長時間の一定ペース走行に対する持久力を向上させます。ポイントは、終盤でもペースを乱さずイーブンで刻めるかどうか。余裕が出てくると20kmから25kmにしようといった具合に距離を伸ばしがちになります。しかし距離を延ばすよりペースを上げる方がケガのリスクを抑えられます。ラスト2kmで少しペースを上げるビルドアップを取り入れるなどしてステップアップしていきましょう。」
実践メニュー②:インターバル走 キロ4分30秒×20km
「目標ペースよりも速いスピードで筋持久力と心肺機能を強化することが目的です。4分30秒/kmという強度で走ることで、レース本番の5分/kmが楽に感じられるようにします。インターバル走は乳酸処理能力を高め、後半の粘りにつながります。セット間はしっかり回復に専念しましょう。スピードに慣れることでレース中の変化にも対応力がついてきます。」
補強トレーニング
「スピード持久力だけでなく、ランニングフォームを支える体幹や臀部、ハムストリングスの強化も見逃せません。週1〜2回はジムや自宅で以下のような補強を組み込んでみましょう。」
- プランク(1分×3セット)
- ヒップリフト(15回×3セット)
- スプリットスクワット(左右10回×3セット)
こうした地道な補強が、ペース維持を支える大きな“裏方”として効いてきます。
記録を目指すマラソン上級者の方へ一言お願いします。
「ハーフマラソンをキロ5分で完走するためには、『余裕を持ったベース走』と『高強度のインターバル』を適切に配置することが重要です。トレーニングの積み重ねの中で、自分に合ったペースを見つけ、レース本番で迷いなく足を運べる状態へと仕上げていきましょう!」
秋の誘惑に負けない!ハーフマラソン成功の食事&シューズ選び
秋といえば『食欲の秋』。おいしいものが豊富で、ついつい食べ過ぎてしまう季節です。でも、ハーフマラソンを控えたランナーにとっては、走りやすい体づくりとエネルギー補給のバランスが欠かせません。今回の記事では、秋ならではの食事選びと、本番に向けたシューズ選びについてご紹介します。
秋の味覚を楽しみながら走りたいです。
「秋は新米に果物、スイーツなど魅力的な食材が並びます。『ハーフのために我慢!』と無理をしてしまうと、エネルギー不足に陥ることも。大切なのは、脂質を抑えて糖質中心の食事を意識することです。秋の味覚を楽しみたいときは、次のような工夫を取り入れてみてください。
きのこ汁や野菜スープ:温かくて満足感もあり、胃にもやさしい。
焼き芋(少量):甘みと炭水化物を兼ね備えた天然のエネルギーフード。
ポイントは“適量”。『ちょっとだけ秋を味わう』ことで、楽しさとパフォーマンスを両立できます。」

シューズの選びのポイントを教えてください。
「シューズ選びは、完走を左右する最重要アイテム。足への負担を減らすことで、無理のない走りにつながります。ハーフマラソンを意識するなら、次のポイントを押さえておきましょう。」
・クッション性は最重要
「長時間の走行では、膝や腰への衝撃を減らすために、クッション性の高いシューズがマスト。クッションの柔らかさも靴によってさまざまです。自分に合った柔らかさを見つけ出しましょう。」
・安定性&フィット感をチェック
「左右のぐらつきや、かかとの浮きがあるとフォームが乱れ、疲労につながるだけでなくケガにつながることも。必ず試し履きをして自分の足に合っているかを確認しましょう。」
・レース用のシューズを用意するのもアリ
「専門店では足型を測定し、自分に合った一足を提案してもらえます。特にハーフ本番用のシューズは、普段履きとは違うレース仕様に切り替えることで、タイムの向上にもつながる可能性があります。レース用のシューズは、必ず本番までに履き慣らし、問題がないか事前に確認しておきましょう。」
・靴下選びもあなどれない
「靴下は生地の厚さ、長さ、滑り止めの有無、指が分かれているものなどさまざまあります。実は靴下が合わないだけで水ぶくれやマメの原因になってしまうことも。シューズに合わせた色を選ぶことで気分が盛り上がるといったモチベーションアップにもつながります。ぜひ自分好みの靴下を見つけてみてください!」
大会に向けてしっかりと準備したい方へ一言お願いします。
「秋の空気を感じながら走るハーフマラソンは、季節ならではの爽快感があります。おいしいものを我慢せず、上手に選びながら走れる体を整えていく──それが秋ランナーの賢い過ごし方です。『自分に合ったグッズ』を見つけることが、自信と快走につながります。大会までの準備期間も、秋の楽しさと一緒に味わいましょう!」