~今日から大会までどう過ごす?~【9月編】
初心者でも完走できる! 9月から始める習慣づくり
MINATOシティハーフマラソンに挑戦してみたい!そんな目標を掲げたとき、多くの人が不安に思うのが「体力が続くのか」「運動経験が少ないけどできるのか」ということ。実は、完走に向けた第一歩は「本格的なトレーニング」ではなく、「生活に運動を取り入れる習慣づくり」です!!
マラソン初心者です。どのくらいのペースで練習すればいいですか。
「いきなり毎日走ろうとすると、体力だけでなく気持ちも折れてしまいがちです。そこで大切なのが、週に1〜2回など、自分の生活スタイルに合わせて「無理なく継続できる頻度」を見つけること。たとえば、仕事のない週末だけ、あるいは買い物ついでに10分だけ、といった工夫でも十分です。高頻度で短期間トレーニングをおこなうよりは、少ない量でも3か月続ける方が効果は得られるのです。」

普段から運動していないので走るのが不安です。
「運動習慣がなかった方にとって、最初のハードルはとても高く感じられるもの。「走るのは不安…」という方は、まずはウォーキングから始めるのが効果的です。通勤の一部を歩く、夕方に近所を散策するなど、日常の延長線上で取り入れられるのが魅力。ぜひ自分に合った形を見つけてみましょう。
まずは10分〜20分、できれば30分間継続して歩くことができれば、脂肪燃焼や呼吸機能の向上といった「有酸素運動」の効果がしっかり得られます。これはハーフマラソンに必要な持久力アップにもつながるため侮れません。また、ウォーキングだと呼吸が上がってしまうほどペースを上げることが難しいので、運動が嫌にならず継続しやすいといったメリットも。
10分でも続けていれば、次は15分やってみようかなと自然に思い始めてくるかと思います。」
運動を継続する秘訣はありますか。
「続けるためには、楽しさや達成感があるとぐっと続けやすくなります。お気に入りの音楽を聴きながら歩く、記録アプリを使って距離を残す、季節の風景を眺めながら歩く——そんなささやかな工夫が、日常に小さな達成感をもたらします。日々の積み重ねが、やがてハーフマラソンという大きな目標を現実に近づけてくれるのです。」
完走を目指すマラソン初心者の方に一言お願いします。
「最初は『週1回10分歩けた』だけでも十分な成果です。その積み重ねが、『少し走ってみようかな』『30分間動けるようになった』とステップアップのきっかけに。小さな達成が自になり、気づけば日常そのものが“ハーフマラソン完走”に向けた準備になっているでしょう。」
キロ5分を目指すあなたへ! ~ステップアップの秘訣~
「ハーフマラソンの『キロ5分≒1時間45分以内』の目標は、市民ランナーにとって一つの到達点とも言える水準です。既に基礎体力と距離耐性を備えた上級者でも、このタイムで安定して走り切るには、日常のトレーニングに細やかな調整と戦略的な工夫が求められます。特に夏場は高温多湿の影響でパフォーマンスが落ちやすく、無理をすれば故障のリスクも高まる季節になります。今回は、暑さを考慮したうえで実力をさらに磨くための練習法と注意点を紹介します。」

9月はまだまだ暑いですが、どんな練習メニューを組めばいいですか。
「気温が高い日には、無理にレースペースで走るのは危険です。そこで推奨されるのが、1kmあたり5分30秒〜6分00秒のゆったりとしたペースでの持続走。距離は10〜20kmを目安に設定し、無理なく心肺機能や筋持久力を鍛えることが目的です。このペースならフォームや呼吸に意識を向けながら、熱中症リスクを抑えて質の高い有酸素運動を継続できます。
加えて、暑い時間帯を避けて早朝や夕方に走る工夫も有効です。この持久走の中では、身体の「疲れにくい走り方」を試行錯誤する良い機会となるでしょう。ピッチ、ストライド、上体の使い方などを細かく調整し、秋のレースに向けて効率的なフォームの定着を図りましょう。
スピード持久力の維持・向上には、定期的なインターバルトレーニングが欠かせません。上級者であれば『1km×5本/設定ペース:5分〜4分30秒』を目安に、メリハリのある走りを取り入れるとよいです。各本の間には休憩を挟み、心拍数を一度落としてから再度高めることで、スピードに対する身体的余裕が生まれます。休憩は走った時間の50~80%の時間(5分ペースで走ったら2分半~4分)を目安にして呼吸を整えて回復に集中しましょう。
重要なのは飛ばしすぎないこと。あくまで設定ペース内で安定して走ることが目的であり、ラスト1本で力尽きるほどの全力走は、むしろ効果が薄れてしまいます。インターバル走は、追い込むというよりは『スピード感覚を身体に馴染ませる』ための刺激と考えましょう。
レースペース+1分30秒(キロ6分30秒)ぐらいを目安にしたスロージョギングを行うことで、疲労を取り去ることができます。しかし走りすぎると逆効果。次の日に疲労が残らない距離にとどめることが重要です。長すぎる距離は負荷のかかるトレーニングになってしまうので禁物です。疲労が取れる短めの距離を見つけましょう。
ハーフマラソンを戦略的に乗り越えるためには、『走る日・走らない日』『強度のある日・回復優先の日』といったメリハリのある練習設計が不可欠です。負荷の高い練習(ペース走、インターバル走)は週2回まで。更に連日にならないよう、間に回復ジョグか休息を挟みましょう。」
記録を目指すマラソン上級者の方に一言お願いします。
「5分/kmという目標は、持久力・スピード・精神力の総合力が試されるチャレンジです。夏場のトレーニングでは無理のない範囲で走力を磨きましょう。気象条件に応じてペースを柔軟に調整し、距離や時間の中で心身に負荷をかけながら、本番に向けた自信と余裕を育てる。それが、秋に笑顔でゴールテープを切るための、最も現実的で効果的な道となっていきます。」
残暑に負けない! 走れる体をつくる食事とアイテム紹介
ハーフマラソンは、体力と持久力の勝負。しかし、暑さや空腹との戦いも忘れてはいけません。特に夏場は、熱中症や脱水症状、エネルギー切れへの対策が不可欠です。今月は、ハーフマラソンの練習を快適に乗り切るためのおすすめアイテムや食事について、初心者から経験者まで役立つ情報をお届けします!
暑い時期に欠かせない必須アイテムを教えてください。
「暑さ対策として最も効果的なのが『首を冷やすこと』。首は太い血管が通っているため、ここを冷やすと全身の体温調整がスムーズに。保冷剤を入れられるタイプのバンダナを使用すると、走行中も涼しさを感じられます。」

暑い時期の食事で気をつけていることはありますか。
「ランニング前後の食事は、走行パフォーマンスに直結します。特に夏場は食欲が落ちがちなので、無理なくカロリーと栄養を摂取する工夫が必要です。
体が火照って食欲が落ちるときにぴったりなのが『冷やしそうめん』。消化にやさしく、糖質をしっかり摂取できるため、エネルギー補給に向いています。薬味に梅や大葉を加えると、爽やかさもアップ。
走る前は、脂質の多い消化に時間のかかる食事は避け、糖質を中心に構成を。バナナ、あんぱん、おにぎりなどは手軽で栄養価も高く、朝食にも最適です。
運動時に冷たいドリンクを飲みたくなるのは自然ですが、糖分が多く含まれる清涼飲料水の過剰摂取は逆効果。お腹に負担がかかるほか、喉の渇きが増すことも。スポーツドリンクを飲む際は適量を心がけましょう。」
熱中症予防に役立つ対策を教えてください。
「熱中症の原因の一つは脳の温度が上がりすぎてしまうこと。氷水を使って頭を冷やすことで脳の温度を下げることができます。特に運動をつかさどる部分がある頭頂部付近を冷やすように心がけましょう。」
大会に向けてこれからしっかりと準備する方に一言お願いします。
「ハーフマラソンは、自分との戦いでもあります。しっかりと準備を整え、アイテムと食事で走る環境を整えれば、不安は自信に変わります。『あと少し』を踏ん張れる身体づくりと、前向きな気持ちの維持が完走への鍵。暑さに負けず、走る楽しさを味わえるよう、一人ひとりに合った工夫で大会に臨みましょう!」